5W1H
概要
このフレームワークは、情報伝達や計画策定において 「 漏れをなくし、解像度を高める 」 ために設計されている。事実や計画を6つの基本的な問いに分解することで、コミュニケーションの齟齬を防ぎ、行動の確実性を担保するための基盤として機能する。
評価 (1–5)
- 適用性: 5
- 有効性: 4
- 複雑さ: 1
- 誤用のリスク: 1
評価コメント
極めてシンプルだが、ビジネスのあらゆる場面で通用する「思考の最小単位」である。思考が停止したときや、他者への指示が曖昧なときに立ち戻るべき原点となるモデルである。
最初の問い
「 その情報や計画に、相手(あるいは自分)が迷う余地のある『空白』は残っていないか? 」
目的
- 「 前提条件の不一致 」 によるミスや手戻りを最小化する。
- 状況を多角的に把握し、論理的な一貫性を持たせる。
質の低い問い
- 「だいたい分かっているだろうか?」(主観的な期待に頼っている)
- 「何をすればいいかだけ伝えればいいだろうか?」(目的や背景が抜け落ちている)
- 「適当なタイミングで進めればいいだろうか?」(時間軸の定義が曖昧である)
使い方 (6つの視点)
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When(いつ)
- 期限、頻度、時期。時間的な制約やタイミングを明確にする。
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Where(どこで)
- 場所、プラットフォーム、対象範囲。物理的または仮想的な実施場所を定義する。
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Who(だれが)
- 主体、関係者、ターゲット。誰が責任を持ち、誰に対して行うのかを明確にする。
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What(何を)
- 対象物、タスク内容、成果物。具体的に何を扱うのかを特定する。
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Why(なぜ)
- 目的、背景、根拠。なぜその行動が必要なのか、上位の意図を共有する。
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How(どのように)
- 手法、手順、ツール。どのような手段で目的を達成するのかを定義する。
アウトプット例
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1. 指示・報告のチェックリスト
- Why: プロジェクトの納期遅延を防ぐために(目的)
- What: 開発進捗のリカバリ案を(内容)
- Who: PMが作成し、ステアリングコミッティへ(主体・対象)
- When: 明日の15時までに(期限)
- Where: 共有サーバーの報告フォルダへ(場所)
- How: 前回のフォーマットを流用し、PDF形式で(手段)
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2. 視覚化のイメージ
- 中心に「アクション」を置き、その周囲を6つの問いが囲む円形のダイアグラム。
- または、縦軸に5W1H、横軸に詳細内容を記載したシンプルなマトリクス。
ユースケース
- ビジネス: 報告・連絡・相談(ホウレンソウ)、会議のアジェンダ作成、プロジェクトのキックオフ。
- 日常生活: 旅行の計画、買い物リストの整理、トラブル発生時の状況説明。
- 意思決定 / 思考: アイデアが散漫になっているときに、一度要素を分解して整理し直したいとき。
典型的な誤用
- Whyの欠落: 目的を伝えず「やり方(How)」だけを指示し、メンバーの主体性や応用力を削いでしまうこと。
- 手段の目的化: 5W1Hを埋めること自体に集中し、肝心の中身の質が疎かになること。
- 項目の混同: 「誰が」と「誰に」を混同するなど、関係性の定義が曖昧になること。
他のモデルとの関係
- 補完的: SMARTの法則(各要素をより具体化する)
- 関連: 7W2H(How much, How many などを追加した拡張版)